スティーヴン・キング好きの読書日記
骨の袋〈下〉 骨の袋〈下〉
スティーヴン キング (2003/08)
新潮社
この商品の詳細を見る

30代半ばの作家マイクの妻ジョアンアは、ドラッグストアの駐車場で突然倒れた。悲しみに暮れるマイクは妻の最後の買い物の中から妊娠検査薬を発見する。
彼らの間には子供がなく、司法解剖で妻が妊娠していたことが発覚する。更なる悲しみに暮れるマイクは疑問も持ち始める・・どうしてジョアンナは一言もそれについて話さなかったのか??
妻の死後4年経っても、執筆出来ないマイクは、妻との思い出が詰まる別荘「セーララフス(セーラは笑う)」へ行く決心をする。

本書では作中なんども、ダフネ・デュ・モーリアの「レベッカ」の一文が繰り返される。

「昨夜私はまたマンダレイへ行った夢を見た」
この「レベッカ」は、イギリスの有名な貴族マクシミリアン・デ・ウィンターのもとへ後妻に入った「わたし」が、彼の所有する邸宅「マンダレイ」でそこかしこで感じる溺死した前妻「レベッカ」の影に付きまとわれる、繊細で女性らしい心理を巧妙に書いた名作。意味深です。
レベッカといえば、その中に私の好きな文がある。

「幸福というものは、あがなうことのできる持物ではなくて、一つの思考の性質であり、心の状態である」そう、しあわせってこういうことなんだよね。

骨の袋とは物語中に出てく登場人物のことだとキングは言う。現実の人間と比べると、小説の人物は所詮骨の袋だ、と。

霊的な描写満載なのに、読後は意外に爽やか。普通なら引いちゃうくらい霊的現象がてんこ盛りだけれど、そこはさすがキング、ぐいぐい読ませる。
ただ文字を追っているだけなのに、これほどまでにまざまざと情景が頭に浮かぶ文章を書けるのって凄い。
私にはマイクの顔も、セーララフスも、幼いカイラの愛らしさも手に取るように分かる気がする。
それが私のキング好きたる所以なのかも。
襲撃者の夜 襲撃者の夜
ジャック・ケッチャム (2007/05)
扶桑社
この商品の詳細を見る

あの衝撃の事件から11年。警官を引退したピーターズは、早朝にある事件が起こったことで警察から助言を求められる。
二人の女性が惨殺された。そして死体の一部と一緒に居たはずの赤ん坊も、持ち去られていた。11年前の「彼ら」の生き残りが起こしたと思われる事件。
あの時、混乱した現場で、被害者を「彼ら」と勘違いし射殺していたピーターズは、あの忌まわしい現場へ他の警官を引き連れてゆく。

「オフシーズン」の続編は、ある女性が帰宅しベビーシッターが惨殺された現場を眼にしたところから始まる。
いつものケッチャムのように、彼女が生と死の狭間でもがく事すらも許さない。彼女の意識と命はあっという間に断ち切られる。
序幕の場面で、女性と赤ん坊、そして老いた元警官が出てくるとなると、今回の標的はコレか、と。不安と期待入り混じります。
中心となる人物は、ディヴィット、エミリー夫妻とその赤ん坊のメリッサ、エミリーの友人のクレアとその息子ルーク。
クレアは離婚した元夫スティーヴンとの間に問題があり、ルークは両親の離婚に対してどこにもぶつけられない怒りを抱えている。
エミリーのもとへ身を寄せたクレアに、会いにこようとするスティーヴン・・暴力的な彼の訪問は不穏の影を投げかけるが、それは「彼ら」に襲撃されるとたちまち霧散してしまった。周到な恐るべき襲撃によって。

中盤から、これは「オフシーズン」と同じモノではないのだ、と気づかされる。描写は脚の付け根がムズムズするほどリアルだし、「彼ら」のリーダーである「ウーマン」(彼女が前回の事件の生き残り)の野生的な強さと、善悪の無い本能的な感情に圧倒されるけれど・・でも「オフシーズン」とは違う。
標的となったエミリーとクレアが、強いのだ。肉体的にではなく、精神的に。母は強し、とはよく言ったもんだ。
だから、展開にいつもの現実感がなくなっているような気がする。生き残る過程に不自然さがあるなんて、ケッチャムらしくない。
⇒ 続きを読む
// HOME // 
Powered By FC2ブログ. copyright © 2005 bookshelf all rights reserved.
プロフィール

Author:しゅう

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
Amazon商品一覧
FC2カウンター

ブロとも申請フォーム
ブログ内検索

RSSフィード
リンク
By FC2ブログ