あの衝撃の事件から11年。警官を引退したピーターズは、早朝にある事件が起こったことで警察から助言を求められる。
二人の女性が惨殺された。そして死体の一部と一緒に居たはずの赤ん坊も、持ち去られていた。11年前の「彼ら」の生き残りが起こしたと思われる事件。
あの時、混乱した現場で、被害者を「彼ら」と勘違いし射殺していたピーターズは、あの忌まわしい現場へ他の警官を引き連れてゆく。
「オフシーズン」の続編は、ある女性が帰宅しベビーシッターが惨殺された現場を眼にしたところから始まる。
いつものケッチャムのように、彼女が生と死の狭間でもがく事すらも許さない。彼女の意識と命はあっという間に断ち切られる。
序幕の場面で、女性と赤ん坊、そして老いた元警官が出てくるとなると、今回の標的はコレか、と。不安と期待入り混じります。
中心となる人物は、ディヴィット、エミリー夫妻とその赤ん坊のメリッサ、エミリーの友人のクレアとその息子ルーク。
クレアは離婚した元夫スティーヴンとの間に問題があり、ルークは両親の離婚に対してどこにもぶつけられない怒りを抱えている。
エミリーのもとへ身を寄せたクレアに、会いにこようとするスティーヴン・・暴力的な彼の訪問は不穏の影を投げかけるが、それは「彼ら」に襲撃されるとたちまち霧散してしまった。周到な恐るべき襲撃によって。
中盤から、これは「オフシーズン」と同じモノではないのだ、と気づかされる。描写は脚の付け根がムズムズするほどリアルだし、「彼ら」のリーダーである「ウーマン」(彼女が前回の事件の生き残り)の野生的な強さと、善悪の無い本能的な感情に圧倒されるけれど・・でも「オフシーズン」とは違う。
標的となったエミリーとクレアが、強いのだ。肉体的にではなく、精神的に。母は強し、とはよく言ったもんだ。
だから、展開にいつもの現実感がなくなっているような気がする。生き残る過程に不自然さがあるなんて、ケッチャムらしくない。