原題は「The Vanished Man」
私はイリュージョニストよりもこっちの「消された男」の方が良いと思う・・
アッパーウェストサイドにある音楽学校で女子学生が殺される。
密室から忽然と姿を消した犯人はマジックの心得がある、と断定され、マジシャンのカーラの協力を得て、いつものメンバーが捜査に乗り出す・・・
さすがに5作目ともなると、私もどんでん返し慣れしてきてて、ディーヴァーにいつも味わわされる「え?うそ?!」が少なかったような・・
それに今回は相手がマジシャン、それこそ何でもアリなわけで(笑)
しかし一応ストーリーに破綻なく最後まで伏線を生かしきった筆致はさすがのディーヴァー。
最後のどんでん返しのため(?)に今一歩深く犯人像を描ききれなかったかも、と思うと残念。
そして初期のライムと比べて被害者の恐怖があまり書かれていない。
「ボーン・コレクター」で蒸気の管を見つめるT.J.の恐怖が未だに忘れられない。
それと犯人の描写を書かせたらディーヴァーに並ぶ作家は居ないんじゃないかなぁ。
「石の猿」の後、ライムシリーズ以外の作品を挟まずに続けてライムを書いた本書。
ディーヴァーが言うような「デヴィット・カッパーフィールド+ハンニバル・レクター」とまではいかないにしろ、かなりの強敵とライムを対峙させたのは確か。