ディーヴァー初の短編集。
これまで長編のディーヴァーは何作も読んでいるけれど、細かい背景や心理描写がなくてもディーヴァー節は冴えるのか?と半信半疑で挑んだ。
帯に「どんでん返し16連発」(花火じゃないんだから(笑))とあるように、ディーヴァーと言ったらどんでん返し、こっちもそれを理解してるからストーリーを素直に読まない。
きっと返されて更に返してくるだろう、くらいの読みを働かせるものの、ディーヴァーも読者の気持ちを知ってるようで、そこを更に斜め横くらいに返す(笑)
完璧にヤられたのは「三角関係」だ。こちらの思い込みを存分に生かしてる。
夫を失った悲しみにくれる女性。「ジョナサンがいない」
ドラッグストアで強盗をし、人質を連れて逃げる犯人。「ウィークエンダー」
亡くなった夫の会社を立て直そうと奮闘する未亡人。「パインクリークの未亡人」
妻の浮気に疑心暗鬼になる夫。「宛名のないカード」
娘をストーキングする少年に激怒する父。「ひざまづく兵士」
そしてなんと言っても本書の目玉、書き下ろしのリンカーン・ライム「クリスマス・プレゼント」
それぞれに旨い。ディーヴァーを味わいつくすならやはり長編だな、という気はするものの、短編でも彼の良さを堪能。
ただしやはり軽い読み物になっているので、読み返すには値しないかも・・とは言いつつも楽しい読書の午後を満喫できた。