グラフィックノベル作家のクレイは、自身の作品の商談のためボストンへ来ていた。
彼はまとまった商談に気を良くして、自分へのご褒美にと立ち寄ったアイスクリームスタンドで、恐ろしい光景を目の当たりにする。
ボストンの街中で、携帯電話を使っていた全ての人々が突如、凶暴な野蛮人と化す。パルス。
怒涛の143ページ一気読みです。ワクワクしましたよ、もう。
携帯ゾンビだなんて毎度ながらあり得ないってばキング、と思いいつつ読み始めたのに、すっかり逃げ惑うクレイの気持ちに同化。
第2章に入り、たまたまクレイと同じ場所に居合わせたトム、その後一緒に同行するようになった少女アリスは、市街地へと非難する。
この辺りから怪しくなるのです・・
そう、どうしてもあの「ザ・スタンド」と比較してしまう自分を発見する。
あらゆる場所で、携帯狂人が生まれたのならば、そのあらゆる状況が知りたい。クレイ一行だけではなく、パルスが発生した経緯、クレイが案ずる息子や、アリスの父、アメリカの様々な場所にいる様々な人々がどうやって狂人から逃げ惑ったのかを、知りたくなる。キングが書くであろう、その細かな描写を読みたくなる。
でも、話はクレイを中心とした小さな集団の周りから離れない。
もちろん、分量は買った時点で分かっているので、「ザ・スタンド」のように細部まで語られないことは分かっている。でも、求めてしまうのですよ、あの収拾がつかなくなるほど、膨大に脹らんだ枝葉の物語を。
そこが分かってからは、冒頭の勢いはどこへやら、終盤はいい塩梅にまとまってしまった。(それこそ、あり得ないじゃん的な、デウスエクスマキナ)
冒頭が好みな成り行きだっただけに、とても残念。
成熟しちゃったのかなぁキング・・それとも私がいつまでも成長しないのかな(笑)